日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 (略称「日本BD」、本社:東京都港区赤坂、代表取締役社長 ジョン・ハリス)は、モノクローナル抗体の蛍光色素として最も幅広く使用されてきた自社FITC標識抗体より、最大7倍の明るさを有するBD Horizon Brilliant™ Blue 515標識抗体製品群を発売開始いたしました。
幅広い研究、さらに白血病の臨床検査において広く利用されるフローサイトメーターの測定に欠かせないモノクローナル抗体には、様々な蛍光色素が標識されています。中でも、すべてのフローサイトメーターに搭載されているブルーレーザーで励起する蛍光色素として、FITC (fluorescein isothiocyanate) は最も広くモノクローナル抗体の標識として使用されてきました。このたび高輝度色素BD Horizon Brilliant™ Blue 515の登場により、高精度の細胞解析が可能となり、新たな研究成果への道が開かれます。
BD Horizon Brilliant™ Blue 515は、2012年にBDが買収したSirigen社が保有していた誘電性ポリマー技術(注:2000年に誘電性プラスチック分野でノーベル賞受賞)を応用して開発された、独自のポリマー色素です。自社FITC標識抗体より最大7倍もの明るさを放ち、ブルーレーザーで励起するため、従来のFITCやAlexa Fluor® 488に代わる次世代高輝度色素と位置づけご提供してまいります。これまで判別が困難だったサブセットの測定においても、解析精度が改善し、より明瞭な分離が可能となります。
BD Horizon Brilliant™ Blue 515標識抗体の特徴- FITC標識抗体より、最大7倍の明るさ。(表1)弱陽性細胞や少数の細胞集団を明瞭に分離。(図1)
- 最大励起波長490nm, 最大蛍光波長 515nm。FITCやAlexa Fluor® 488と同様にブルーレーザーで励起。
- PEへの漏れ込みがFITCより少ない。機器設定の時間を大幅に短縮し、作業効率を向上。
- MRSA、バンコマイシン耐性腸球菌固定、膜透過剤などへの安定性、光安定性が高い。
- EDTAやヘパリンなどの採血管にも対応し扱いが容易。細胞内・細胞表面の様々なアプリケーションに対応が可能。
当初の発売においては100種類余の抗体となりますが、今後順次、製品の種類は増やす予定です。日本BDは、BD Horizon Brilliant™ Blue 515をご提供することで、日本の研究分野に貢献してまいります。