検査結果報告画面。
左下のグラム染色画像はクリックすると拡大される。
同時に検査情報システム(LIS)の更新も行うこととなったため、BD Kiestra™ WCAと連携可能なLISの構築を行った。さらにこれを契機に、不適切検体発生の一因となっていた検体種の見直しを、LISベンダー、病院情報システム(HIS)部門、医事会計部門を巻き込み実施し、医師が直感的に適切なオーダを選択できるように部位別ではなく、採取手技別(採痰、採尿、内視鏡、手術・穿刺など)に検体種を集約した。
また検体種の見直しを契機に、検体種ごとの培地種類や検査内容、培養時間など医師がその検体種に求める情報を的確に得られるように見直し、必要度の低い情報を得るための培地や検査内容は大幅にカットした。
さらに、従前はLISでHTMLファイルとして作成した検査報告書をHIS側に送信していたため、検査報告書の記載内容が制限されていたが、HIS側からLISにアクセスし、webブラウザを使って検査報告書を表示することで大幅に画面の自由度が増し、視認性を重視した検査報告書を作成することができた。具体的には、文字サイズの拡大や報告の状態(中間報告か最終報告か)で色調を変え識別性を改善した他、感受性の結果のみをカラー表示するなどの取り組みを行った。また感染症診療の適正化に資するために、グラム染色を所見記載だけでなく、顕微鏡画像も電子カルテで全例閲覧できるようにした他、Selective reportingの採用により、不適切抗菌薬選択の抑止のための試みも盛り込んだ。