BD EpiCenter™ システム(上)と
BD バクテック™ FX40システム
今回、血液培養装置の更新に伴い、西棟と東棟の検査室それぞれに装置を設置し、検査室に血液培養ボトルが到着すると、直ちに培養が始められる体制を構築した。東棟の細菌検査室には、血液培養ボトルが400本装填できる「BD バクテック™ FXシステム」を2台、西棟の検査室には、同40本装填できる「BD バクテック™ FX40システム」2台を導入し、検査能力を1.8倍に増強した。
2つの検査室の血液培養検査装置の情報は、西棟の検査室に設置されたBD EpiCenter™ システムで常にモニタリングされ、陽性検体の有無がリアルタイムに表示される(写真右)。これにより離れた場所にある装置の陽性ステータスの確認が可能となった。またBD EpiCenter™ システムでは両装置のデータが一元的に管理されており、測定中のデータを保持したままボトル移動を装置間で行うことができる。
現在、毎朝、細菌検査技師の出勤時に西棟の血液培養装置に装填されたボトルを、東棟の細菌検査室の装置に移動し、日中はこれまでと同様に細菌検査室管理下にて血液培養検査を継続している。
血液培養について西山氏は、「菌の種類、菌量によって陽性までの時間が異なる。菌量が多いと陽性になるまでの時間が早く、患者は重篤な場合が多い」と指摘する。同病院では陽性までの時間は早いと約3時間、中央値13時間程度で陽性と判定される。一方、以前までは午後5時20分〜午前0時、午前1時〜9時に提出された血液培養ボトルは、直ちに装置に装填されず室温放置されていた。夜間の血液培養検査について西山氏は、「直ちに血液培養ボトルを装置に装填することで、培養開始までの時間が最大8時間程度短縮され、陽性の報告も速やかになったと感じる」と評価した。細菌検査室の美濃島慎氏は、「日勤帯であれば、当然すぐに細菌検査室の技師がグラム染色とサブカルチャーを行っている」と話す。続けて西山氏は「日勤帯に培養陽性が増え、すぐにグラム染色やサブカルチャー、質量分析層装置による同定検査を行うことで、全体的な報告時間も短縮された」と迅速に血液培養ボトルを装置に装填するメリットを挙げた。