この装置(図2)は,検査スタート時から寒天培地を培養しながらミクロのレベルでコロニーが出現してくるのをモニターして計数し,コロニーカウントグラフを自動的に作成するというものである。一定時間間隔ごと,例えば30分ごとに出現してくるコロニーをモニターするため,シャーレ全体の影像をミクロンレベルの解像度で取得してリアルタイムの生菌検出を実現している。マイクロコロニー検出時には自動的にe-mailや電話連絡をすることができる。測定に用いる試料は,表面塗抹法,混釈法あるいはメンブレンフィルター法,いずれの方法にて調製されたものでも用いることができる。この方法は,従来の培養法そのままで,寒天培地シャーレを試料として装置にセットして検査をスタートするだけで,全自動で迅速に微生物検出とコロニー計数を実施する。
この装置は,以下のような特徴をもっている。
◦ 従来の培養法(手作業の目視検査)をそのまま全自動化している。
◦ 使い方が容易(寒天培地シャーレを装置にセットして,検査をスタートするだけ)。
◦ コロニー検出が迅速(マイクロコロニーを検出する)。
◦ タイムラプス計測なので検出がリアルタイム。
◦ 表面塗抹法,混釈法,メンブレンフィルター法のいずれでも迅速微生物検出ができる。
◦ 寒天培地の性能が,グラフで厳密に評価できる。
◦ 寒天培地試料のイメージは一定時間間隔(例えば30分間隔)で取得され,電子ファイルとして保存される。
◦ コロニーの増殖状況は,検査後あるいは検査中でも,時間を遡って確認検証できる。
◦ 製品残渣などの影響がなく,1コロニーレベルの検出計数精度をもっている。
◦ 近傍のコロニー同士が重なり合ってもコロニーを正確に計数する。
図2 タイムラプス影像解析法に基づく全自動迅速微生物検出装置MicroBio μ3D™概念