2015年8月26日現在の基本情報
(国立感染症研究公表)
中国では、これまでに中部を中心とする12省(安徽省、湖北省、河南省、山東省、遼寧省、陝西省、四川省、雲南省、広西省、江西省、浙江省、江蘇省)と北京市(直轄市)で、SFTSの発生が報告されています
6)。
韓国でも、概ね全土にわたって患者、及びSFTSV分離の報告があります
4)。
そしてアメリカのミズーリ州でも、SFTSV様(近縁)ウイルス(Heartland virus)に感染した患者(2名)の報告が2012年になされています
7)。
本邦では、2013年以降2015年9月3日現在までに長崎、佐賀、福岡、熊本、大分、宮崎、鹿児島、愛媛、高知、徳島、香川、山口、島根、広島、岡山、兵庫、京都、和歌山、三重、及び石川の20県で報告されており、患者数は150名を超えました
3)。
発症の頻度に年代で違いはあるかも知れませんが、患者は60歳以降の高齢者が多く、致死率は約30%と高率です。
ちなみに、中国での現在の致死率は本邦より低い約6%と報告されていますが
5)、日中で患者の症状等に大きな差を認めないことから、この差は軽症者の見積りの差、すなわちその確認がなされているかの差によるものと考えられているようです。
ところで、過去の国内感染事例確認のために保存された血清を精査したところ、既に2005年には感染者のいることが明らかとなりました
2)。
そして、確認された感染事例には2013年以降の患者報告とは異なる県も含まれていました。
感染の危険は全国に及ぶ可能性を、改めて考える必要がありそうです。